どうも最近の報道を見ていると倫理的にかたよった報道がやたら目立ちますが、
アゴラの記事で下記のようなものがありました。
アゴラ : オーストラリアにおける「不都合な真実」の悲惨な結末 - 矢澤豊
今年の2月7日前後に、オーストラリアのヴィクトリア州で大規模な山火事(ブッシュファイア)が同時発生し、200人近くが死亡、約500人が重軽傷を負い、約2,000世帯が住まいを失うという大惨事があったのですが、この記事を執筆している矢澤豊氏の知り合いのオーストラリア人弁護士が曰く

「バカなグリーニーたち(Greenies=環境保護主義者)の責任だよ。」

以前からオーストラリアの内陸部に住む人たちは山火事対策として家屋周辺の森林を伐採することで延焼予防を施し、雨季には森林管理の目的で人工的に山火事を発生させ、枯れ草/枯れ木など燃えやすい燃焼材を人為的に処分するのが通常だった。しかし都市計画を牛耳る地方政府が、森林愛護や、山火事による二酸化炭素排気への反対を主張する環境保護団体の圧力により、このような計画的伐採や人工的山火事による予防策を禁止したという。それでもあえて住居周囲の木々を伐採した人は、刑事犯として罰金刑を科せられていた。それが今回の大惨事をきっかけに、住民が蓄積してきた知恵と経験を無視し、感情論的なエコ政策を無理強いすることにより、災害被害の悪化を招いたとして、環境保護団体に非難が集中している。

環境保護を否定するつもりはありませんが、一方的な倫理的主張による被害、暴力は反対です。
森林伐採=環境破壊=禁止と単純にかんがえるのではなく、どうしたら効率がよいか?安全か?の議論を忘れがちです。
最近大流行のエコバッグは他方から見ると、もともと石油精製時にでた残りカスを使えるようにしたエコ商品という説もありますし、ハイブリッドカーなどを作るには一般車より多量のCO2を排出しています(一説によると、すでに車生産時に排出したCO2分を償却した燃費のよい中古が一番エコという話もあります)。

いい加減インフルエンザ&マスク報道にもうんざりですが(といってもTVあまり見ないほうですが)TVから発信される一方的な情報に惑わされず、他方から情報をあつめ、多角的に情報を判断する教育が欧米諸国に比べて日本は遅れている実感があります。一方的に押し付けられるエコではなく、自分から進んで主張できるエコロジストを目指そうと思います。

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